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Vol.200 イタリア・アルアル


先のカウンタック復刻の回でも触れたが、フェラーリBB(365GT4BB&512BB)とカウンタックの最高速度自慢について触れたい。

昭和の子供なら誰もが知っていた、この元祖スーパーカーの最高速対決。
1971年のトリノショーで鮮烈デビューをしたカウンタックが、後にも先にもどうしてこんな大それたコトを言ったのかという「最高速度300km/h」という公称値。
そのスタイリングだけでなく、この数字に誰もがぶっ飛んだ。

 

 

今じゃ公正取引委員会から怒られるあろうこの数値は、もちろん最終型のアニバーサリーでも達成されることはなく、文字通り「自称300キロの…。」という感じで世間は納得していた。

 

それでも「ランボだから」という今じゃ考えられないような空気で、なぜか許されていた感じもあるが、さらに驚いたのはこのカウンタックのライバルとして登場した、フェラーリ初のフルサイズミドシップたるBBの最高速だった。

 

「うーん…。じゃあ、うちは302km/h!」

 

というボケ返しのような最高速度を発表したのは皆さんもご存じの通り(少なくとも昭和のオッサン、オバチャンに限りますよ)だと思うが、誰もが何で「2km/hなの?」という部分について触れたい。

 

日本では、具体的な数字は言えないが、「わずかながら」を数字で言い表すときには、一寸先は闇とか、1ミリも似ていない…。とか、ほんのちょっとという時には「1」を表現を使うことが多い。

一方イタリア人は、そんなとき「2」を使うケースが多いのだ。

ちょっと待ってというときには

「2分待って!」

という言い方をする。一瞬待ってという時は、さすがに一瞬というのだが、

比喩的な表現として「ちょっとだけ」待って欲しい時は、決まって2分と言う。

誰に聞いても「1分は無理、3分じゃ長い、でも2は許す」なんて後から突っ込みどころ満載な決まり切った答えが返ってくる。

 

ここからは完全に持論だし、個人の見解なので鵜呑みにしないで欲しいが、このスーパーカー最高速対決の背景を考えると、フェラーリがBBにわざわざ2km/hという僅差にとどめた数値で公称に踏み切ったのは、こうしたイタリア人の常套句的な部分によるものが大きいのではと思うのだ。

つまりは、「実際何キロ出るかは知りませんが、少なくとも近頃話題のあの牛のマークよりはちょっとだけ速い」ということが言いたいだけということ。

バールやトラットリアでの会話に置き換えるとわかりやすいかもしれない。

牛印「うちの新車はすげーぞ」
馬印「また始まったぞ!」
牛印「てやんでい、まずは見てみろ、このデザイン!」

馬印「な、なんじゃこりゃああああああ(たまたまストライキでトリノでカウンタックを作っていた製作者たちは、北イタリア、ピエモンテではcountacc〜クーンタッシという言葉を聞いてそのまま車名にした)」

馬印「まじで、すげえな。オイ!(良い物は褒めるのがイタリア)」
牛印「だろ? なんと300キロ(くらい…*結構小声で)は出せちゃうかもしれなくもない!(イタリア名物婉曲二重否定)」

馬印「うーん。じゃあ、ウチも言っちゃおうかなあ…。(BBをお披露目…。)」
牛印「やっべー…。ゴン攻めじゃん..。ミドシップだし…。」

馬印「でしょでしょ? 完璧302km/hもんだよ!」

牛馬「ちげえねえ! 乾杯」

とまあ、こうしてイタリア語会話風にしてみると、とても自然な流れなので、そう私は信じている。

まあ、信じるか信じないかはあなた次第ということで。

 

それではまた近々…。

 

A prestissimo!!

 

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